鉄道言論界サバイバル

2023年6月 9日 (金)

こんな福井義高は嫌だ

とある公開講座にて



質問者A:福井市で発生したいわゆる「負の社会実験」と言われる現象についてどう考えるか。


福井:福井市での現象は福井市・福井県等関係各位がバス車両や運転手を適切に手配すれば防げた。この事例をもって低輸送密度(2022年のえちぜん鉄道の輸送密度は1,821人キロ/日)の鉄道に免罪符を与えるのはおかしい。


質問者A:……福井市では降雪時に交通がマヒしているが。


福井:タイヤチェーンをバスに付ければ防げた。



質問者B:福井先生はweb論座への寄稿でウィリアム・パゴニス中将の"Moving Mountains"を未邦訳と紹介しているが、「山・動く」という邦題で翻訳されている。校正段階で気づかなかったのか。


福井:あれは翻訳の名に値しない。あの程度のレベルで翻訳と銘打っていいなら、私でも翻訳業で食べていける。


聴衆:(いや、それは翻訳者や監修者に失礼だろ……)


福井:余談だが、いわゆる「負の社会実験」以降、私は福井市にいい印象を持てなくなった。あのような醜態を晒したうえにローカル鉄道を未練がましく擁護し続けるなら、市名だけでも福井から北ノ庄に戻して欲しい。現実から敗北し続けている街にはぴったりの名前だと思う。そのような都市と名字が同じだと思うだけで、私は毎日不愉快だ。



……いや、翻訳の名に値云々からは冗談だと思いたいですが、「バスでは駄目ですか?」は本当に言ってますからね……。(Youtubeで「福井義高 鉄道」で検索すれば見られます)

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2016年11月13日 (日)

角本先生、本当に一緒だったんですか?

今年亡くなられた交通評論家の角本良平先生についてこのようなものを見つけました。URLではないので"角本良平"で検索して下さい。

運輸政策研究
Vol.19 No.1 2016 Spring
追悼
092
追 悼
知の巨人 角本良平先生を悼む

角本先生は冷静沈着な方だったそうですが、労働組合の方から「角本先生とは立場が違いますから」云々の発言を受けたとき、「立場が違うとは何事ですか、我々は鉄道を再生させるための真剣な議論を一緒にしているのです!」と強い口調で反論された、とのエピソードが紹介されています。

しかし、21世紀も16年になってJR総連の緑の旗がなんと韓国のソウルに立ち、朴槿恵退陣要求のデモの中でJRここにありと世界に示しているのを見ると、国鉄(や私鉄?)の労組はどの程度鉄道再生の同志と見なしてよかったのか?と疑問が湧きます。
仮に角本先生が労組を鉄道再生のパートナーとしては捉えていなかったと仮定しても、国鉄時代の組合は日本以外でも鉄道に関係ないことで旗を立てるような団体だったんでしょうか?
いや、日本も韓国も労働組合は国鉄の民営化に異議を唱える者同士連帯しているんだ、と言えば百歩、いや対馬海峡の分譲れば理解できるかもしれませんが、それでも大統領退陣デモに日本から参加するなんぞ内政干渉にしてもやり過ぎです。民営化反対なら、まだ韓国に日本の経験を教えると言う名分が立たなくもなかったのに。

この追悼文には見るべきところが多々あるはずなんですが、JRの旗がソウルにたなびくという衝撃映像を前にして、拙速ながら記事を書きました。

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2016年9月30日 (金)

堀内重人 9月30日のツイート(うそ)

"JR北海道は関連事業を頑張っていたが、観光列車に注力できなかったのは労務畑経営陣の限界 -鉄道ジャーナル11月号 なぜJR北海道はここまで追い込まれたのか(大坂直樹)"

当ブログ主はツイッターをやらないのでさっぱり勝手が分かりませんが、それでも堀内さんご本人ならもっと上手くまとめますよね…。

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2016年9月 3日 (土)

「さようなら公共性」ってどういう意味?

久しぶりに福井義高教授をネタに記事を書きます。先ほどこんなものを見つけました。

公共事業の削減とその影響(2005.1)
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/refer/200501_648/064801.pdf
pp.13-14から一部中略・再編集して転載します。

"建設業界や地方自治体の意見のなかには、 「地域間格差是正のために」 とか「地域経済の活性化のために」、 地方重視の公共投資や公共事業の地方への重点配分を主張する声があるので、 これに関する学者等の意見を見ることにするが、 このような主張に対してはおおむね否定的な意見が多い。

例えば、 井堀利宏氏は、 近年の財政構造改革の議論の中での政治的にゆがんだ意思決定による無駄な公共事業の実施の指摘に関して、 公共投資の政治的な配分の典型的な例が、 地域間の再分配政策であり、 我が国では公共投資政策の財源と支出の両面で、 地域的偏在が大きく、 それが地域経済・社会の既得権となっていると指摘している(42)。

また、 渡邊正太郎・福井義高氏は、 地方に対するアファーマティブ・アクション (公共投資の傾斜配分) 失敗を直視し、 公共事業を地域間再分配政策から解放するとともに、 社会資本は、受益者負担の範囲で整備可能なものにとどめ、原則として、 現状のインフラを前提に、 国民の住む場所を選択することを主張している(43)。

また、 藤田安一氏は、 鳥取県の財政を事例として、 景気対策を優先した公共事業など、 軌道を逸した財政政策の手法が自治体の財政を急速に悪化させたとし、 公共事業に過度な景気回復効果を期待するのではなく、 公共事業は国民の生活安定と経済基盤の整備を目的としたインフラ整備という本来の役割にもどすことが必要であり、 また、 鳥取県の統計より作成した分析データを基に、 これまでの公共事業に偏った景気対策から、 社会保障を重視した景気対策へと視点を変えてみることが必要であろうと主張している(44)。

また、 吉野直行氏は、 社会資本に対する民間資本の比率と民間資本 (第三次産業) の生産性との関係を全国の北海道、 南関東、 東海、 近畿、中国、 北九州の地方毎に算定し、 それを基に、
①南関東は、 地域に民間資本が入り、 しかもその生産性が高く、 活動が活発で、 公共投資による社会資本が有効活用されている一方で、
②北海道等では、 造られたインフラが、 それだけでは民間企業を地方に呼べなかったのに、 どんどん中央から資金が注ぎ込まれた結果、 地方は、中央からくる金をあてにし、 その金が途絶えるととたんに地域経済が疲弊するという中央依存体質になっていると分析している。
その分析に基づいて、 地方は、 すでにあるインフラを有効活用して、 もっと広い視野で民間誘致を考えるべきだと主張しており、 「いかに民間 (海外を含め) を呼び込むことができるか」 であって「いかに公共事業を持ってくるか」 ではないと指摘している(45)。

しかし、 三井清氏は、 吉野氏とほぼ同様の基本認識に立って、 従来のような地方圏における公共投資は、 地方に産業を興すことで所得水準を向上させ都市からの所得移転の必要を無くすことができるという考え方に基づき、 生産基盤型を中心におこなわれてきたとして否定的であるが、 是正すべきは地域間の所得格差ではなく生活水準であるとし、 地方交付税を通じた地域間の所得移転によって、 「公共投資を生活基盤型中心に転換したり、 人口の少ない周辺地域に偏重している公共投資を地方圏の内部の中核都市に重点投資してゆくといった地域の実状に即した効率的な社会資本整備が可能となる。」 として、 地方における公共投資の有用性を主張している(46)。

また、 金澤史男氏は、 効率論から地方の公共事業を切り捨てるのではなく、 公共事業の中でもナショナル・ミニマムの部分を保障しなければいけないとし、 「地方振興政策としての公共事業に関してはその地域の活性化、 効率化のためにどうあるべきなのかということを徹底的に洗いなおして、 新しい政策をやっていく必要がある。」 と主張している(47)。

その他の意見
その他の意見として、 公共事業における構造改革は、 公共事業の総量や地域配分の問題ではなく、 公共事業のあり方自体の見直しであるとの意見もある。

(42)井堀利宏 公共事業の正しい考え方―財政赤字の病理 pp.108-109参照。
(43)渡邊正太郎・福井義高 「地域経済の自立的発展と公共事業」 前掲書 都市問題 2001.12月号, p.60参照。
(44)藤田安一 「公共事業の展開と地方財政危機の進展―1990年代の鳥取県を事例として」 前掲書 都市問題 2001.12月号, pp.75-89参照。
(45)吉野直行 「公共投資の問題点と今後のあり方 収益性のある社会資本整備で自立した地域経済の確立を!」PHP Business Review PHP 研究所, 2004.7・8月号, pp.23-26参照。
(46)三井清 「公共投資の地域間配分とその経済効果」 前掲書 「地方経済の自立と公共投資に関する研究会」 報告書 pp.32-33参照。
(47)金澤史男 「地域経済と公共事業」 pp.24-26参照。"

他の識者の意見も見ようとしたら引用が長くなりました。
しかし、福井教授の主張は何と捉えればいいんでしょうか?正直、私には捉えどころが掴めません。
ちなみに、渡邊正太郎という人はかつて花王の副社長を勤められ、平成15~23年(2003~2011年)度に渡邊氏がりそなHD社外取締役、2006~2013年度に福井氏が同社外監査役を勤めており、福井教授とは縁の深そうな方とみます。福井教授の就任時期には確証が持てませんが…。

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2016年6月11日 (土)

「安全唯一」 塀の外の懲りない阿部さん

週刊東洋経済増刊 「「鉄道」完全解明 全真相 2016」で(株)ライトレール社長の阿部等さんが「工夫と少ない経費で鉄道の運転時点間隔を短く(=増発)して輸送力を増強し混雑と遅延を解消する、5方策を提案」されています。

①進路開通と同時の出発
現行の進路開通後に出発するルールは三河島事故(1962年)をはじめとした進路開通前の誤出発による重大事故の経験に基づくものだが、保安装置が完備された現在では見直すべきではないだろうか、とのことです。

②選択停車ダイヤ
今回の記事のメインにつき後述しますが、上下線にそれぞれ1本しかない駅で3本に1本を通過させて電車の処理効率を向上させる。さらに、3駅に1駅を通過する分、所要時間を各停より短く、先行する各停につかえる優等列車と大差ないくらいにする、とのことです。(選択停車列車は快速A・B・Cとする)

③ドア閉めと同時の出発
車両のドア挟みの検知感度が低いせいで、安全確認をしてから出発せざるをえないため運転時隔が延びる。感度の向上と共にドア挟みを検知できなかった場合などは、ドア部に生ずる大きな力を検知して緊急停止する仕組みにする、とのことです。

④車両の加減速度向上
現行の鉄道の路線バスよりも低い加減速度を技術を駆使して路線バス並みに引き上げ、レールブレーキの導入でマイカー並みの非常ブレーキを持たせる、とのことです。

⑤信号の機能向上
現行の信号システムは軌道回路方式による列車の位置検知も制限速度の指示も粗く、安全のための余裕として速度指示を引き上げるタイミングを遅らせている。そのため、必要以上に車間距離を空け、かつ速度を低くしている。
軌道回路によらない位置検知、無線による迅速かつ正確な情報伝送、無線不通に備えた冗長設計など必要な要素技術を駆使したイノベーションにより、安全を維持しつつ運転時隔を短くする、とのことです。

5方策を順次中央線快速に適用していった場合、
運転時隔 1時間本数
現行 2分00秒 30本
①② 1分40秒 36本
③ 変化なし 変化なし
④ 1分30秒 40本
⑤ 1分20秒 45本

全て適用した場合現行の1.5倍の輸送力になる、とのことです。

②選択停車ダイヤについては以下のように、

ABC
新大阪 ●↓●
西中島南方 ●●↓
中津 ↓●●
梅田 ●↓●
淀屋橋 ●●↓
本町 ↓●●
心斎橋 ●↓●
なんば ●●↓
大国町 ↓●●
動物園前 ●↓●
天王寺 ●●↓

相性のよさそうな路線が素人目には考えつきません。というかこの場合、快速A半端なく混むなぁ!

その他の方策についてもネットでは散々斬られたのに阿部さんは懲りませんなぁ。

「安全唯一」とは、鉄道に対する世間の目が厳しいために、鉄道が従来のやり方を変えることをためらい、安全でありさえすれば利便性も効率性も経済性もお構いなしの、社会的にも経営的にも好ましくない状態に陥ること、を指す阿部さんの言葉らしいです。
「安全」は鉄道の目的ではなく前提であり、そのうえで利便性や効率性や経済性を向上させてこそ、利用が増え、収益を得られ、社会に貢献できる、との言はよし。しかし、加減速度をバス並みて「満員電車がなくなる日」(2008年 角川新書)以来の相変わらず危ない着想、ここまで阿部さんが懲りひんとは思わんかった。

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2016年5月31日 (火)

鉄道言論界のこども教授、波床正敏

(旧タイトル「何のために勉強するのか」(梅原淳 うそ))

大阪産業大学の波床正敏教授のサイト
路面電車|鉄道で国づくり
http://rtpl.ce.osaka-sandai.ac.jp/ByRail/?cat=39

を読んでいると、当ブログ主くらいだとは思いますがどうしても文章から子供臭さ、というか子供じみた印象を拭い難く受けてしまいます。
当ブログ主には波床教授に対して「こども(っぽそうな)教授」と呼ばわる以上の他意はありません。(多分)しかし、波床教授に

"「都市交通」「地域経済」「都市環境」「地域経営」とか、そういった勉強もした方がいいと思う。専業なんだよね?(2015/10/19)"

と水を向けられた鉄道ジャーナリストはどう思うんでしょうか?名前が出てないのをいいことに想像してみました。

(ここからは03/24に記事アップ)

"筆者はある雑誌のWeb版に路面電車は一部でもてはやされいるだけの価値がある乗り物なのか、ということを検証する記事を書いた。路面電車の事実を正しく伝えたつもりだったが、どうも評判がよろしくない。その理由を筆者の勉強不足に求める大学教授もおられる。

路面電車|鉄道で国づくり
http://rtpl.ce.osaka-sandai.ac.jp/ByRail/?cat=39

筆者は未だ教授のいう「地域経済」云々の勉強に十分取り掛かっていない。その状態での発言が許されるなら、いくら写真や文章を尽くしてもヨーロッパと日本は都市環境も地域経営のあり方も違って当たり前、というこの事実をまず踏まえることが大切である。教授の文章を読んでいくと日本にヨーロッパ流の手法を全て移植することが有効な国づくりの手段であるかのように理解してしまうが、もちろんそれは錯覚である。
「鉄道の未来学」上梓以来、いや、筆者が鉄道ジャーナリスムの世界に飛び込んで以来の疑問であるが、外国には外国のやり方があり、日本には日本のやり方があるという単純な考え方は、なぜなかなか理解されないのだろうか。いや、もしかすると地域経営も鉄道と同様に万国共通のシステムがある、という錯覚が外国の鉄道と地域社会のあり方への幻想を肥大化させているのかもしれない。同じようにヨーロッパの鉄道を見てきても、先日物故された角本良平氏のようにどこまでも現実を冷徹に見据える目がアカデミズムの中でなかなか育たないのも、象牙の塔の特殊な空気が一因なのか、筆者には知る由はない。"

うん、いつもより出来が悪い。いつも以上に何が言いたいか自分で理解出来ない。ご本人に校正してもらおうかな。

(ここまで)

これだけだと「梅原淳」という固有名詞が出て来ませんが、最新の著書に

"「十河信二の呪い」
山陽新幹線の建設は東海道新幹線のときとはくらべものにならないほど多くの困難に直面した。その一部始終を筆者は「十河信二の呪い」と命名したい。"(最新新幹線事情 平凡社 P41,42 2016年3月)

と記したお方ですから、上の嘘文は本人の文章としては上品すぎたりするんでしょうか?
もっと下品に、となると嘘文を2度書く気力が出てきません。私は「十河信二の呪い」という文言を書く人間の存在は想像できなかったし、ましてそれが"鉄道ジャーナリスト"の看板を掲げた者、というのはこれ以上の悪い冗談をちょっと考えつきません。

なお、「鉄道言論界のこども教授はまだ沢山いるだろう」という半畳はご遠慮願います。
例えば曽根悟・永瀬和彦といった鉄道言論界の重鎮の方々が実はこども教授だったとして、当ブログ主にはそれを検証するだけの識見が将来的にも身に付きそうにないんで。

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2016年3月29日 (火)

「鉄道ダイヤを支える技術」ですって

先日書店で著書検索をした際、鉄道ジャーナリスト梅原淳さんの新著「鉄道ダイヤを支える技術」(秀和システム 2,200円)を見つけたので少し立ち読みしました。
自分の鉄道の信号システム等に関する知識が不足しているうえに僅かの時間の立ち読みだったんで内容は全く頭に入ってないんですが、ただ一点違和感を持った箇所があります。
梅原さんは新型ATS(自動列車停止装置)を設置していれば福知山線の事故は防げたのではないかと考察しています。

2013年4月25日 (前略)脱線事故から8年を経過して
http://index.umehara-train.com/?guid=ON&eid=1106948

相当な思い入れを感じさせる記事ですが、どういうわけか当書には福知山線の記述がないのです。
立ち読みした程度で分かるか?
巻末の路線索引に福知山線が登場しないのだから恐らく本文にも出てこないんでしょう。

"この事故から5年が過ぎたころであったであろうか。鉄道業界では事故に対する風化が急速に進み、いまや多くの人の脳裏から忘れ去れようとしている。それどころか、(中略)重い事実をなかったことにする鉄道メディア業界の現状には、怒りを通り越して哀れにさえ思う。"

当書がこの3年前の文章の流れを汲むものか私としてはかなり疑問視せざるを得ませんが、もう少し福知山線への思いを前面に出してもよかったのではないでしょうか。風化したとか忘れ去れているとかでなければ。

その点を措いても、当書を買う気にはなれませんでした。2,200円という値段に二の足を踏んだだけでなく、約140ページとやや薄いうえに写真や図解が多いのでさらに内容を薄めようとするかのような思惑を感じ、こげなもんは金があっても買えん。と最後は反発で腹を決めました。

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2016年3月21日 (月)

角本良平なきあとの鉄道言論

実は私、鉄道評論家の角本良平先生が死去されていたことを昨日知りました。謹んで御冥福をお祈り致します。

角本先生の死去により、鉄道衰退論は事実上なきに等しい扱いになるでしょう。今まででもそうだったかもしれませんが、衰退論の事実上の後継者が鉄道の現場では大きな実績のない(と素人目には映る)福井義高教授のみとなれば致し方ないと言えます。
とはいえ、東海道新幹線の開業や国鉄分割民営化に貢献した鉄道界の巨人・角本良平の言説は、人口減少という鉄道受難の時代に突入した今こそ、より多くの人の目に届ける必要があります。

素人の頭に思いつくのは、角本先生の著作は一般向けが相当少ないので、発刊時から現在までの情勢の推移を加えた上で新書等の形で再構成することです。
この大任を担えるのは福井義高教授を措いて他にい、るかもしれません。年齢も実績も上の他の愛弟子が。しかし、角本先生に薫陶を受けた他の人、といっても鉄道ジャーナリストの梅原淳さんに任せたら宮脇俊三さんの著作が原武史教授の解説で台無しになったと言われる以上の悪い事態は避けられないでしょう。原教授と違って、梅原さんはまず何が言いたいのか読者が理解できないんで。
福井教授も角本先生との認識の違いが見受けられる中、
(整備新幹線について
角本:赤字分は国や自治体がカバーする仕組みを検討すべき
福井:最悪の場合は運転休止の可能性も否定できない)
福井教授が角本先生の著作を纏めて、川辺謙一さんや堀内重人さんといった鉄道の見識が確かな方と雑誌の座談会等で意見を戦わせる、というのが角本良平の遺産を最も多く引き出しやすい方法ではないかと思います。

それにしても、須田寛JR東海相談役や曽根悟教授といった鉄道の巨人達と角本先生との対談は見てみたかったものですが、実現していたら鉄道界により大きな実りが生まれていたでしょうに、実に残念です。

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2016年3月16日 (水)

波床正敏教授に質問です

恥ずかしながら、当ブログ主は波床教授が「路面電車は非効率」論に物申しておられるとは知りませんでした。

路面電車|鉄道で国づくり
Web記事の精度(東洋経済編-1・2・3)
http://rtpl.ce.osaka-sandai.ac.jp/ByRail/?cat=39

当該鉄道ジャーナリストの名前を記すのも嫌だ、というのであれば私も気持ちは分からなくはありませんが、それはまた別の機会にして今回はJR東日本出身の大学教授の発言についてお尋ねします。

2015/03/02 Forum(4) 福井義高講師(青山学院大学国際マネジメント研究科教授)「鉄道は生き残れるか ある公共事業の半世紀」
http://m.youtube.com/watch?v=lxWhbgX0lC0
より

《(LRTの輸送量はバスと大差ない。)LRTはヨーロッパ人の自己満足だと思う》

(介護の観点からLRTの活用をどう捉えるか?と問われて開口一番)《バスでは駄目なのか?》

《(これから就業人口が減少する中、広島~東京~大宮~仙台・高崎は別として)いずれ新幹線は産業廃棄物になると思う》

《(発展途上国では高速鉄道は利用する層も維持管理する層も十分ではないので)高速鉄道は途上国には重荷になる。途上国への高速鉄道輸出は人道上の視点からみて問題だと思う》

《もしみんな(JR東海のリニア建設に)本気なら株価は0円になっている》

当ブログでもいくつかまとめましたが、

講演を聞いてみた(講演編)
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1525029/1537329/101649904
(質疑応答編①)
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1525029/1537329/101666288
(質疑応答編②)
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1525029/1537329/101674643

波床教授の見解をお伺いしたいです。既に示しておられるなら御容赦を。

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2016年2月27日 (土)

「原武史から3000点」

取ります。はらたいらからじゃなく原武史から何がなんでも取ります。

持ってなかったら代わりに著作権でも教授の椅子でも何でも分捕って……とそこまでの執念は持つのがめんどくさいですが。敬称略なのも他意はありません。「私はそうは思わないが」と言われてもこちらに他意はありません。

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