川と道州制

2011年11月22日 (火)

北陸道と東海道② 長野と松本の対決は続く

前回は越中・飛騨・美濃と川を見て来ましたが、今回は越後・信濃・三河・遠江から区割りの在るべき姿を考えます。

糸魚川から姫川を遡ると塩尻市旧楢川町に水源の一つがあります。正直塩尻市と楢川町の合併は塩尻市が細長くなるばかりでどうなのかと机上で思案したのですが、考えが足りなかったようです。

旧楢川町(姫川)と木曽川の水源を抱える木祖村は隣同士とはいえ、別の県どころか別の道州でもおかしくなかったのです。

信濃川は南佐久郡川上村に、天竜川は茅野市に源を発するようです。

今までの分析(という程でもないですが)を総合すると、北陸と東海の境は大雑把に分けて

佐久・小県・塩尻・安曇平と旧高根・朝日・久々野以外の高山が北陸

諏訪・伊那・木曽・下呂と高山のうち旧高根・朝日・久々野が東海

と見立てればそれほど間違いはなさそうです。

次回は東海と関東の境ですが、山梨県の地図を見るだけでも「関八州とそれ以外でいい」と言い切れるものではない、と言っておきます。

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2011年11月 4日 (金)

北陸道と東海道① 飛騨は下呂と高山の一部だけ岐阜のまま?

川の流れから県境での道州区割りを見ると、北陸道は新潟阿賀野川ばかりではなく富山神通川や高岡庄川の源が他の道になってしまう、という問題があります。信濃川に姫川?それは一旦置いといて。

反対側の海、つまり伊勢湾から遡ると長良川は郡上市、木曽川本体は措いて支流の飛騨川は下呂市から高山市の旧久々野町→朝日村→高根村が水源です。
郡上市は美濃なのでなんら問題ありませんが、下呂・高山は美濃との一体化が進んでいる?とはいえやはり飛騨です。
なら「飛山濃水」というし問題ない、訳はありません。

庄川も神通川(宮川・高原川)もやはり高山市から発している、ようになったのです。

高山市は平成の大合併で東京都より僅かに狭く、香川県や大阪府よりも広くなりましたが、別の海に注ぐ水系を抱える事態になりました。

さすがにこれは道州制施行後に大問題になるのではないのでしょうか。

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2011年10月27日 (木)

奥羽道と北陸道 猪苗代湖は州際問題になる

なぜ奥羽と北陸の境目が猪苗代湖か?奥只見湖なら分かりますが。

それはやはり会津が越後に注ぐ阿賀野川の源として恩恵を受けているのが大きいです。

奥只見湖が境目になると会津地方と新潟市で阿賀野川の水を巡る利害調整が州際問題になってしまいます。

猪苗代湖が境目だと会津(北陸)と中通り(奥羽)で湖水の配分が必要になりますが、会津そのものが州際問題化するよりはリスクが小さくなります。

もっとも、北陸道の州都は新潟か金沢かと言われており、新潟は福井が納得しない以上奥羽道の州都が確実な仙台と比較した場合、会津との距離は 北陸が圧倒的に遠いです。
会津の人たちも新潟か福島かなら新潟でしょうが、金沢か仙台なら仙台に決まっています。

とはいえ、新潟が恐らく北陸に入るとなる以上、阿賀野の流れで結びつく会津も北陸に入る、ということを知的遊戯としてでも考える必要はあります。

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奥羽道と関東道 矢祭町は関東になる?

奥羽道(東北)と関東道。
一見、川を巡る対立の可能性などないように見えます。

しかし、私が知らなかっただけでちゃんと地図にに導火線、いや奥羽と関東を跨ぐ河川が記されていました。

その名は久慈川(一級河川)。

福島県東白川郡棚倉町に端を発し、塙町・矢祭町そして茨城県久慈郡大子町・常陸大宮市・那珂市・常陸太田市・日立市と流れ最後は那珂郡東海町で太平洋に注ぎます。

なかなか気づかれない(少なくとも九州の人間には)川ですが、間違いなく陸奥と常陸をまたぐ重要性があります。

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「州際問題」としての河川

道州制について多少考えていますが、重要なことを見落としていることに気付きました。

河川管理で道州同士が対立する事態が想定される、ということです。

道州間の問題を国際問題をもじって「州際問題」と称することにしますが、やはり一番大きな問題として水資源は厳然として横たわるでしょう。

道州は以下の様に分割されることを一応の前提とします。

・北海道
・奥羽道(東北道)
・関東道
・北陸道
・東海道
・関西道
・瀬戸内道(中四国)
・西海道(九州)
・琉球道(沖縄)

道州の名称は古代の五畿七道を意識しました。

北海道・西海道・琉球道は河川の問題が道州内で解決するでしょうし、瀬戸内道も関西道と河川関係で対立が生じるとは今のところ想定していないので、残りの道州間についてこれから見ていきます。

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