「鉄道ダイヤを支える技術」ですって
先日書店で著書検索をした際、鉄道ジャーナリスト梅原淳さんの新著「鉄道ダイヤを支える技術」(秀和システム 2,200円)を見つけたので少し立ち読みしました。
自分の鉄道の信号システム等に関する知識が不足しているうえに僅かの時間の立ち読みだったんで内容は全く頭に入ってないんですが、ただ一点違和感を持った箇所があります。
梅原さんは新型ATS(自動列車停止装置)を設置していれば福知山線の事故は防げたのではないかと考察しています。
2013年4月25日 (前略)脱線事故から8年を経過して
http://index.umehara-train.com/?guid=ON&eid=1106948
相当な思い入れを感じさせる記事ですが、どういうわけか当書には福知山線の記述がないのです。
立ち読みした程度で分かるか?
巻末の路線索引に福知山線が登場しないのだから恐らく本文にも出てこないんでしょう。
"この事故から5年が過ぎたころであったであろうか。鉄道業界では事故に対する風化が急速に進み、いまや多くの人の脳裏から忘れ去れようとしている。それどころか、(中略)重い事実をなかったことにする鉄道メディア業界の現状には、怒りを通り越して哀れにさえ思う。"
当書がこの3年前の文章の流れを汲むものか私としてはかなり疑問視せざるを得ませんが、もう少し福知山線への思いを前面に出してもよかったのではないでしょうか。風化したとか忘れ去れているとかでなければ。
その点を措いても、当書を買う気にはなれませんでした。2,200円という値段に二の足を踏んだだけでなく、約140ページとやや薄いうえに写真や図解が多いのでさらに内容を薄めようとするかのような思惑を感じ、こげなもんは金があっても買えん。と最後は反発で腹を決めました。
| 固定リンク
「鉄道言論界サバイバル」カテゴリの記事
- こんな福井義高は嫌だ(2023.06.09)
- 角本先生、本当に一緒だったんですか?(2016.11.13)
- 堀内重人 9月30日のツイート(うそ)(2016.09.30)
- 「さようなら公共性」ってどういう意味?(2016.09.03)
- 「安全唯一」 塀の外の懲りない阿部さん(2016.06.11)
コメント
「鉄道ダイヤを支える技術 閉そく・信号・合図・標識」(合同会社ウメハラトレイン梅原淳著 秀和システム2016年刊)を一読する機会を得ましたので、雑感などを。
まことに読みが浅いのかもしれませんが、この御本の何処に「鉄道ダイヤ」なるものが在るのでしょうか。「オ~イッ、鉄道ダイヤ~ア。何処だぁ」
彼の標題ならば、「鉄道ダイヤ」という視点、あるいは基点から「支える技術」を提示或いは説明する御本の様に思えるのですが、如何なものでしょうか。
引用なのか、或いは複製許諾済みなのか?判然としない中での原資料のコピペとしか読み取れない本文文章の数々。もちろん原典掲示無し。
引用?複製許諾?元の原典掲示がこの体たらく。
梅原氏(誤)「鉄道技術者のための信号概論 鉄道信号一般」
(正)「鉄道技術者のための電気概論 信号シリーズ 鉄道信号一般〔改訂二版〕」
あるいは、「鉄道ダイヤを支える技術」本第4章信号57頁に「図4.3.1」として図版標題が突如として、
「第十章 運転 第四節 鉄道信号 図3 (常置信号機及び車内信号機の信号現示例)
と、何だか原資料をまんまコピペしたものが貼り付けてあり、出典表示のつもりか「国土交通省監修、、運転関係技術基準調査研究会編、「解説 鉄道に関する技術基準(運転編)」、日本鉄道運転協会、2002年3月、146‐148ページとかあるのですが。
どう言うこと!なんでしょうかね。
秀和システム昔FMシリーズのマシン語いじりでお世話になった会社なんでエライ劣化しはったなあ、との感慨も雑感とさせていただきます。
投稿: 陸 壱玖 | 2016年8月17日 (水) 00時38分