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2014年7月31日 (木)

後藤寺線の輸送密度とか、おかしくないですか?

といってもJR九州の公式発表ではなく鉄道ジャーナリスト梅原淳氏の計算に疑問がある、という話です。
手元にある週刊東洋経済から、後藤寺線の平均通過数量(旅客人キロ/年間の延べ営業キロで計算されていますが、「輸送密度」とほぼ同義語とみなしてよいと思います)の推移を見てみます。

03年度 1,361
04年度 1,456
05年度 1,456
08年度 1,487
09年度 143
10年度 143
(週刊東洋経済2011/3/5特大号・2012/2/25特大号・臨時増刊「鉄道」完全解明2013)

一体08年度と09年度の間に何があったら9割も減るのやら、筑豊に縁のない人間にはとんと原因が想像できません。
参考までに、後藤寺線と条件が近い平成筑豊鉄道(共に筑豊線と日田彦山線の連絡を担う:平成筑豊鉄道は日豊線とも接続している)のデータもどうぞ。

03年度 1,079
04年度 1,008
05年度 994
08年度 989
09年度 937
10年度 908

あ、もうこれ間違いないんじゃないですかね。

「後藤寺線の輸送密度の急激な減少は単に桁区切りを間違えた」

ですね。
もっとも、当ブログ主の手元にある資料が上記の3冊のみなのでこれ以外のデータは分かりません。

ところで、04年度と05年度、09年度と10年度の数値が平成筑豊鉄道は違うのに後藤寺線は同じじゃないか?、と思われた方、あなたは鋭い。
実は、05年度と10年度の数値はJR九州とJR貨物のみ04年度と09年度のものを使い回しているとしか考えられないのです。
2012/2/25特大号と臨時増刊「鉄道」解明2013を見比べて初めて分かったんですが、JR九州とJR貨物の箇所だけ全路線の全ての指標(営業係数・平均通過数量・平均通過数量の増減率)が寸分違わず同じなんです。
ここまでくると、使い回しは思い違いで、当該項目だけ誤ってコピペしたまま記載した、というのが正解のようです。

これについて梅原さんが何らかの見解を出されているのかは、当ブログには分かりません。しかし、「間違いを間違いと認識しないからこんなことやらかすんやなぁ」とは思います。

例えば「鉄道の未来学」の中央線三鷹〜立川間の複々線が不要との箇所(P119〜)は、何を考えたか同じ首都圏の東武伊勢崎線や小田急小田原線ではなく輸送量が(首都圏と比べて)低い関西の京阪本線を引き合いに出した時点で普通は間違いと思うやろ、と私などは考えています。ですが、「大して需要もないくせに(首都圏と比べて、です)戦前から官鉄に張り合って複々線にした関西私鉄は愚かだ」との主張を埋め込みたいとの意図があって、関西私鉄で一番複々線の長い京阪を槍玉に挙げただけ、かも知れません。
あとは、ひかり493号を停車駅はそのままでのぞみに変更すれば静岡県とJR東海の問題は一挙に解決するのではないか(P93〜)との提言ですかね。

とはいえ、北陸新幹線に関しては事実誤認ではなく確認ミスからくる間違いがあったようですが。

鉄道ジャーナリスト 梅原 淳
鉄道よもやま話
2011年9月19日 『鉄道の未来学』の正誤
http://blog.umehara-train.com/?guid=ON&eid=989795

しかし角川の編集部はよく梅原さんと付き合っていけてますなぁ。さる方、いや陸壱玖さんの薦め(?)で買った梅原淳著の平凡社新書が一冊きりなのは、平凡社の編集者が梅原さんとのやり取りに疲れ果てたからなんやろなぁ、と私は想像していますが、グラフも地図も一枚も出さないという梅原スタイルに慣れている読書家の編集者が角川大帝国にはいるのでしょう。

ついでに、ここで一言言わせて頂きたい。
「毎日乗っている地下鉄の謎」(平凡社新書)、地下鉄の路線図が一枚もないとは事実無根も甚だしい。ちゃんと日比谷線(と急カーブ)だけ強調した地図が"一枚"載っています。(P291)「鉄道関係者から「道楽」と陰口を叩かれた」札幌地下鉄(P75)や「影が薄くて知名度もイマイチ」な横浜地下鉄(P99)の地図など必要ですか?

あと、おまけです。
「筆者は金など大嫌いだ」(梅原淳)
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1525029/1537329/88458255

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コメント

私めがお薦めする地下本(ん~っ何たるジャンル分け)はw

「もぐらの履歴書」(吉村新吉著文芸社2005年刊)
「車両を造るという仕事」(里田啓著交通新聞社新書2014年刊)

どちらも、著者ご自身の特に職業人としての来し方を飾ることなく、丁寧に滋味深く描いておられることに、読者として感慨があります。
東京地下鉄道時代からの現場叩上げ吉村氏と営団地下鉄の車両設計技師里田氏が職業人として何を成し遂げたのか。自ら記せる人って羨ましいですよね。
真実も事実も書いた験しの無い(自称)鉄道ジャーナリスト氏の御著書とはエラい違いかと存じます。

投稿: 陸 壱玖 | 2014年8月 1日 (金) 23時02分

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